雙葉日記

2026.07.29

未来への志を育む講演会

静岡大学教授の稲垣栄洋先生をお迎えしました

 6月22日(月)午後、講堂にて「未来への志を育む講演会」を行いました。静岡大学教授の稲垣栄洋先生をお迎えし、「踏まれたら立ち上がらない!本当の雑草魂」という演題で講演をいただきました。

 稲垣先生は植物学者で、雑草の生態を研究しておられます。冒頭では「花の色によって、集まる虫の種類が異なる」という事象の仕組みを解き明かし、さらに植物と生物の進化についても説明して下さいました。私たち人類は、草原において進化を遂げ、そして「雑草」は、人間がつくりだした環境に適応した野生植物だそうです。この講演のタイトルである「踏まれたら立ち上がらない!」という部分は、「雑草は踏まれたら“立ち上がる”ものではないか?」という固定観念を覆すもので、実際に雑草は「踏みつけられる」など予想外の事態に陥ったときも、必ずしも上に向かって伸びようとするものばかりではなく、横へと茎を這わせたり、地下へと根を伸ばしていったりと、さまざまな生存方法を持っています。その在り方は、まさに人間の生き方そのものであると、先生は教えて下さいました。「上に向かって伸びる」ことだけが“正解”ではなく、その他の手段もみな“正解”であり、それが「個性」とか「多様性」といったものであるそうです。そして何かの分野において“苦手”という「個性」も必ずしも不要なものではなく、努力のスイッチが入るタイミングもそれぞれだし、それらの努力の中には無駄なものはないと、先生は話されました。「多様性」という言葉が昨今のトレンドワードとなっていますが、その「多様性」を“受け入れる”という姿勢のあり方に気付く機会はそれほど多くありません。先生のお話からは、雑草の生態の中に、人間の生き方に通じるものが実はたくさんあるのだということに気付くことができました。「誰かの作ったものさしで測ることだけが正解ではない」という言葉が何度か出てきましたが、私たちは無意識のうちに「ものさし」を作り、それに合わない自分を否定することがよくあります。多感な中高生の時期ではなおさら、いくつもの「ものさし」の存在に苦しめられる経験が多くあるでしょう。私たちが普段じっくりと目に留めることの少ない雑草から教えられることがこんなにもあったということに気付くことができました。

 講演の後の質疑応答では「どうして雑草の研究をしようと思ったのですか?」「好きな雑草は何ですか?」「雑草を食べたことはありますか?」など、学年を問わず素朴な質問がたくさん挙がりました。放課後にも大会議室にて新聞部の取材が行われ、その後の交流会では、生命科学コースの探究活動で草花をテーマにしている生徒や担当教員、大学受験を控えた高3生などが集まりさらに深い質疑応答がありました。

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