
雙葉の先生方やカトリックの教えの中で出会った「神様は乗り越えられない試練は与えない」という言葉が今も私の心の支柱となっています。この言葉があったからこそ、自分自身を信じて、部活や受験勉強、その後の司法試験も乗り越えることができました。そして今もなお弁護士として難局に対峙したときに、粘り強く、かつ冷静にクライアントの想いを実現する力に繋がっています。また、尊敬できる仲間と切磋琢磨できたことも、雙葉ならではの宝物です。互いを認め合い、強くしなやかに歩む仲間たちの存在が自分自身をより高めてくれました。雙葉での日々で培われた姿勢が、人の想いに誠実に向き合い寄り添う今の仕事にも深く活きていると感じています。

私は現在、デザイナーという芸術に関わる仕事をしています。芸術を生み出すのに必要なのはセンスと言われていますが、センスというものはたくさんの〝引き出し〟でできています。その、感性の引き出しを作ることができたのは静岡雙葉での6年間があったからです。何よりもきっかけは、私の個性を受け入れ、興味関心のままに活動する場を与え、支援してくださる先生方と出会えたことだと思います。先生の情熱的な授業、脱線小話、そして、私は決して優等生ではありませんでしたが、どの先生も生徒に対して分け隔てなく対話してくださったことが、私の中にあるさまざまなものを掘り起こし、たくさんの引き出しを作ってくださいました。また、私のような変わり者を受け入れ、共に過ごした友人も私の創作活動の泉となっています。6年を同じ学び舎で過ごした彼女たちは〝一生の友〟となり、あの頃と変わらず今でも苦楽を分かち合う大切な友達です。

私は静岡雙葉での6年間を通して、はなから無理と諦めず何でも挑戦しようと思えるマインドを得られたことがよかったと思っています。綿密に計画を立てるタイプではない私が、部活と勉強を両立しつつ、夢であった医師にもなることができたのは、雙葉時代にあたたかく見守ってくださった先生方、明確な目標を持つ友人と出会えたお陰です。その経験は医学部での勉強にも生き、自ら学ぶ習慣の大切さを実感しました。医学部卒業後は産婦人科医になった後、今は法医学をメインに働いています。大学で働く上では他国の研究者とのコミュニケーションも大切で、英語やドイツ語を今さらながら必死で勉強しています。中高時代は多くの可能性に満ちています。ぜひみなさんも様々なことに挑戦してください。

静岡雙葉での学びは、今の私の基盤になっています。委員会や行事など、あらゆる役割をすべて女子だけで担っていくという環境の中で、責任感や課題解決力、周囲と協働する調整力を自然と身につけることができました。また、カトリック教育を通して信仰に触れたことによって、世界では宗教が身近な存在である、ということを実感する貴重な機会をいただきました。さらに、雙葉での充実した英語教育により国際社会への関心が高まり、自分自身の進路選択において、獣医師の資格を活かして国際的な仕事ができる農林水産省を志すきっかけにもなりました。雙葉での6年間の多様な経験が、私の人生の選択において新たな視点を与えてくれ、そこから驚くほどの可能性を広げてくれたのだと確信しています。