私が雙葉で学んだことは、対話の重要性です。特に宗教の授業で、自分を見つめ直し、友達とお互いの考え方を共有することができました。私は小児科医として働いており、総合病院勤務時には新生児科を専攻して研鑽を積みました。ものを言えない赤ちゃんのサインを読み取り、ご家族に寄り添いながら治療を進めていくことにやりがいを感じていました。現在は開業医として、地域医療に従事しており、赤ちゃんからお年寄りまで受診する「地域のかかりつけ医」として診療しています。特に小児科領域に関しては、専門医として、お子さんのことを気軽に相談できる医師でありたいと考えています。困っている人の力になりたい、という気持ちの根底は雙葉での教育にあります。後輩の皆さんには雙葉での日々を糧に、自分の生き方を見つけ、活躍されることを期待しています。
雙葉生としての私は、部活や猫の保護活動には熱心に取り組む一方で、テストの成績は・・。お世辞にも模範的な生徒ではありませんでした。それでも先生方はそんな私の心の中にある信念を見て、肯定し、成長させてくれました。雙葉に背中を押された私は、「猫を殺さなくていい社会を作りたい」そう強く思った中学生の頃の気持ちのまま、自分の信じる道を歩み続け、今では保護猫活動専門の会社「ねこから目線株式会社」と、人の福祉と猫問題への並行支援が必要なケースに対応するための「人もねこも一緒に支援プロジェクト(NPO)」を立ち上げ、社会問題と戦いながら社会を変えていく仕事をしています。卒業して10年が経っても、学校には自分を知る先生がいて、近況報告ができ、共に成長を喜んでくれます。そんな“人を大切にする”ところも雙葉の魅力の一つです。
校訓の前半部分「徳においては純真に」が示すように、静岡雙葉には互いの違いを認め、ありのままの姿を受け入れてくれる友人たちと、熱中していることをあたたかく応援してくださる先生方に囲まれた環境がありました。学校生活のどの場面にも一貫して通じる「自分も他者も同じように大切にする」というキリスト教の精神のもとに過ごした6年間が、私の精神的・人間的な土台を形づくっていると思います。現在私は歴史ドラマのムックを制作する仕事をしていますが、かつてそんな環境で好きなだけ学んだ古典や日本史、大人数で互いを尊重しながら一つの作品を作り上げたコーラス部での経験が、仕事にも大いに生きていると感じています。そして、卒業して時を経た今でも、互いの健闘に心からの拍手を送り合える友人たちの存在は私の大きな心の支えとなっています。
雙葉で過ごした6年間は、人生の宝物となる貴重な時間でした。一生涯の友人や尊敬する先生方との出会いがあり、校訓「徳においては純真に、義務においては堅実に」を胸に、個性や得意分野を活かして、友人と切磋琢磨しながら学ぶ環境が整っていました。私は3歳からミュージカルを学び、音楽と共に成長してきました。在学中は音楽活動と学業の両立を支えてくださった先生方の存在が大きな力となり、昨年は音楽活動の延長でミスコンテストに挑戦し、地方・日本大会を勝ち進み、世界大会で優勝することができました。雙葉の校訓を胸に、一つ一つの課題を丁寧にこなしたことが結果に繋がったと感じています。今後も雙葉で培った基盤と世界大会で得た新たな視野を活かし、音楽を通じて多くの人々に笑顔と勇気を届けられるよう、精進してまいります。