本校卒業生の方のご挨拶を紹介します
昨日5月17日に、本校の講堂にて同窓会総会が行われました。毎年、この会の中で、古稀を迎えられた方々を御祝いしています。今回、古稀を迎えられたのは新26回の卒業生の方々です。壇上でのご挨拶をここに紹介いたします。本文にある「白く美しく立派な校舎」とは、現在の校舎が新築される前の校舎(1949年竣工)になります。この校舎で学んだことのある卒業生の方々にとっては、懐かしい思いが蘇るのではないでしょうか。
本日は、私たち新26回生の古稀のお祝いを催していただき、ありがとうございました。
私たちは、昭和43年の4月にこの静岡雙葉学園に入学いたしました。真新しい、少し大きめの制服に身を包み、白く美しく立派な校舎に、緊張しながら足を踏み入れたことを覚えております。
東西南北、という変わったクラス名、厳かな雰囲気のお御堂、修道院、何もかもが目新しく、心は浮き立っていました。その中で圧巻は、やはり、シスター方の存在でした。ほとんどの生徒がキリスト教にふれること自体、初めてでしたので、シスターがどのようなものかも分かりませんでしたが、ただその揺るぎのない、凛とした佇まいにかすかな畏怖と、そして憧れを感じたものでした。英語の授業、宗教の授業やその他、学園生活の中で触れ合うシスター方の姿勢、振る舞いに雙葉学園の真髄があるのではないか、などと幼いながらに感じておりました。
また、先生方の学習指導は実に熱心で、厳しいものだったと思います。その厳しさは偏に教育に対する情熱であり、生徒の向上を願うものであったと、今、この歳になっては理解しますが、当時は苦しくて反抗心ばかり募らせていたように思います。もっともっと貪欲に勉学にも励んでいれば、と今更ながらに後悔しても文字通り、あとの祭りです。
その他、様々な学校行事、体育祭や文化祭にバザー。特にバザーの思い出はかつての雙葉生にとっては特別な思い出となっているのではないでしょうか。そう、「龍子先生のお直し」です。夏の暑い教室で途方に暮れたことが思い出されます。でも、私にとってはこれは大変に貴重な時間だったと思います。今、曲がりなりにも取り敢えずは、糸と針を持って簡単な縫い物くらいはできるのは、本当に当時の体験のお陰だろうと心底感謝しております。
そして皆が所属したクラブ活動。これは6年間の学園生活を通して強く心に刻まれている記憶であります。そこでの出会いは学年の違いを越えて友情を生み出し、育んでくれました。今もそのつながりを大切にしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
それでもやはり、同級生との絆は格別のものです。今日も卒業以来初めて再会した同級生、瞬時に制服姿の笑顔の集まりになりました。振り返れば、多感な思春期の時期、共に学び、互いに吸収しあい、時には喧嘩もしました。しかし、それは長い人生の中でも本当に煌めくような豊かな時代だったのだと、今は懐かしく、愛おしく感じております。
本当にこの静岡雙葉学園の卒業生で良かったと思います。全校生徒が講堂で「ハレルヤ」を合唱した時、神聖で厳かな空間の中で、いやがうえにも高揚せずにいられなかった感覚が鮮やかに蘇ります。
キリスト教の精神に則り「徳においては純真に 義務においては堅実に」という校訓のもと学校生活を送りました。この言葉は社会に出た後、職場で、或いは子育ての場面でその重要性を再認識致しました。実行できてきたのかどうかは、甚だ心許ないものではありますが、私達は本当に素晴らしい教育を授けていただいたのだと、改めて感謝致しております。
古稀70歳とはいえ、まだ少なからず人生は続くようです。雙葉学園の卒業生であることを誇りに、これからも楽しく元気に生きて参りたいと思っております。
このたび、古稀のお祝いをご準備くださった同窓会役員の皆様、本当にありがとうございました。
昨今の目まぐるしく変貌する世界情勢を踏まえ、次世代を担うべきこの静岡雙葉学園が素晴らしい教育理念のもとますますのご発展を遂げられますよう、また、雙葉学園同窓会のご清栄、そして本日ご列席の皆様方のご健勝をお祈り申し上げ、感謝を込めて御礼の挨拶とさせていただきます。 (新26回卒業生代表 瀧容子様)