スローガン「アイオライト」のもと、これからの人生の道標を得る5日間となりました
10月15日(火)~19日(土)、4泊5日の日程で、高校2年生が研修旅行に行ってきました。本校の研修旅行では、毎年、広島、萩・津和野、長崎、福岡を訪れます。
今年は、「道を示す」「誠実」という石言葉をもつ「アイオライト」をスローガンに掲げました。5日間の旅程の中で、原爆投下やキリシタン弾圧などの歴史と向き合い、悲しい出来事を繰り返さないためには何ができるのか、自分の今後の生き方について深く考えました。また、これまで多くの時間をともに過ごしてきた学年の仲間と、自他の個性を認め合いながら、たくさんの思い出を共有することができました。静岡雙葉での最後の宿泊行事を存分に楽しみ、今後の人生の糧となる時間を過ごすことができました。
詳しい旅程は以下の通りです。
◆1日目:広島
広島平和祈念公園、原爆ドーム、資料館
宮島、厳島神社
◆2日目:萩・津和野
※萩を訪れる班と津和野を訪れる班に分かれます。
萩(松陰神社、松下村塾、伊藤博文別邸)
津和野(森鷗外旧居、西周旧居、森鷗外記念館)
その後、萩・津和野市内をレンタサイクルで巡りました。
秋芳堂、秋吉台
◆3日目:長崎
黒崎教会、出津教会、出津文化村散策、聖母の騎士修道院
◆4日目:長崎市内
浦上天主堂
その後、班ごとに長崎市内研修を行い、眼鏡橋、中華街などを巡りました。
◆5日目:福岡
太宰府天満宮
◆実行委員長より◆
今回の高2研修旅行は、スローガンに「アイオライト」を掲げ、準備を進めてきました。このスローガンには、アイオライトの石言葉に沿った「学年全体が一つ一つの行程に誠実に取り組むことで、この研修旅行が将来の道標となるように」という意味が込められています。また、多色性で日の当たる角度によって色が異なるアイオライトのように、「一人一人が自分だけの色を表現し、自分だけの進むべき道を見つけるきっかけになってほしい」という実行委員の思いも込めました。
5日間の中で、広島での被爆者の方のお話や、長崎での神父様の講話など、原爆に関するお話を聞いて、私たちの身近にある平和が当たり前ではないということを学び、「怒りの広島、祈りの長崎」といわれている理由を実感するとともに、これから自分がどのように生きていくのかを考えるきっかけとなりました。また、班別の自由行動では、どの班も全力で楽しみ、それぞれが自分の色を出すことができた研修旅行になったと思います。
◆生徒の感想より◆
・「平和」と「生きる」について学ぶ中で、戦争という大きな形には現れなくても、私たちは日々心の中で誰かを責め裁いたり、自分は正しいというような思考に陥ったりしてしまっていることがあると気づきました。家族や隣人を愛することは昔から変わらず大切なことですが、それと同じくらい自分のことも愛して、痛みや苦しみを分かち合い、互いに支えあえる関係を他者と築いていきたいと思いました。
・私はこの研修旅行で皆が皆、すべて同じではない、違うことは悪いことではなく、自分なりの色なのだと気づくことができました。これまで何でも周りに合わせてきて、自分の主張を考えようとすらしなかった自分を振り返り、今後、今隣にいる友人たちと別れ、それぞれがそれぞれの道に進んでいく中で、いつまでも自分の「色」を発しないわけにはいかないと感じました。私たちは「私たちの未来」のために選択し、歩んでいます。今後は未来の自分がどのような「色」でありたいか、どのような「色」であるべきかを考え、自分なりの考えを持っていきたいです。
・この5日間、様々な歴史に触れ、人生に触れ、過去を知り、自然に包まれ、自分はまだまだ知らないことだらけで、面白いことはいくらでもあるのだと気づかされました。同時に、人生を豊かにし、未来を明るいものにするために、今は踏ん張り時なのだと思いました。知ること、学ぶこと、考えること、伝えること。これは昔も今も変わらない、私たちにしかできない素晴らしい行為だと思います。命の尊さを学び、悲惨な過去を知り、平和を求め祈り願うこと。この5日間で得た学びは私の人生の糧となり、種となるのだと思いました。いつ花が咲くのかも分からない、そんな一つの苗に花を咲かせられるよう、これから沢山のことを学び、水を与え、花開く日を待ち望み、努力していきたいと思います。