貧困問題について実地で学びました
1月30日(金)の夕方~31日(土)にかけて、高校1年生の希望者12名が、大阪市の西成区周辺に赴き「釜ヶ崎フィールドワーク」を行いました。大阪市西成区の釜ヶ崎と呼ばれる地域は、戦後の経済成長を支えた日雇い労働者の街として栄えた経緯から、野宿者やそれを取り巻くさまざまな貧困に関する問題が比較的見えやすく存在している地域です。本校では2019年から訪問研修を行っており、現地では貧困問題に関するレクチャーを受け、炊き出しのお手伝いやフィールドワークを経験することで、実地で社会問題について知る貴重な機会となっています。
支援団体の方々とともに行った炊き出しには、200名を越える方々が列をつくり、「肉野菜どんぶり」を受け取って召し上がりました。参加した生徒たちは、雪のちらつく寒さの中での屋外作業となりましたが、食材の準備や火おこし、大鍋での調理や配膳などに取り組みました。時折、支援者の方々とお話することを通して、支援の実情を学びながら作業を行うことができました。
今回一緒に活動したアサンプション国際中学校高等学校の生徒さんたちとの交流も深まり、人権や尊厳教育に力を入れるカトリック校同士の交流という点でも、よい勉強になりました。聖母被昇天会(アサンプション国際中高の母体)のシスターとの出会いもありがたいものでした。
「野宿者ネットワーク」の生田武志さんからレクチャーを受け、今回のフィールドワークからも、現代社会を生きる人々の居場所の問題や野宿者への襲撃の問題など、物質的もしくは精神的な貧困からくるさまざまな問題の現状を学び取り、自分たちにできることを考えるきっかけをいただきました。


炊き出しに使う野菜の下ごしらえの様子。寒空の下、冷たい水に手が凍えながらも、心をこめて調理しました。


◆生徒の感想より◆
・授業で学んだ時には、正直日雇い労働や野宿者の問題や存在に対して実感はあまり湧いていなかった。しかし今回釜ヶ崎を実際に訪れたことで、実感を持てたと同時に問題の解像度が高まったことで、これが釜ヶ崎に留まらず広く社会の問題であると強く感じた。貧困は大人や高齢者ばかりの問題でなく、子どもたちや若者や女性にも定住する場を持たない人々が多くいる実態を知り、今までの、そのような人はいないと決めつけていた認識をとても恐ろしく思った。野宿をすることになるまでの道のりは階段状になっていても、そこから戻ろうとしたときには大きな一つの壁になっているというお話がとてもしっくりきた。住所がないことや様々な偏見が社会への復帰をとても難しいものにしていることに気づくことができた。実際に野宿をされている人たちとかかわって垣間見られたのは人情深さだった。とても良い経験になり、これからも関わり方を考えたいと思った。
・お話を伺ってショックを受けたのは野宿をする方々への若者による襲撃の実態です。軽いいたずらで済まされるものでなく、放火やエアガンといった方法で「殺すつもり」で行われているものも多くあることを伺い、恐ろしくなりました。炊き出しで出会った方々はみんな「ありがとう」「美味しかったよ」など温かい声をかけてくれました。そんな人たちが冬の寒さや夏の暑さに苦しみ、襲撃に怯える暮らしを送っておられると思うと悲しい気持ちになりました。