本日の生徒の祈り
カトリック教会では、色とりどりの花が咲き乱れる5月を聖母マリアにふさわしい月として、聖母マリアに祈りを捧げる習慣があります。本校でも、聖母月の朝は聖堂に集って聖母マリアに祈りを捧げます。
今日の生徒の祈りについて紹介します。
「私が、マリア様に取り次いでいただきたい祈りとは、皆が日々を幸せに過ごしてほしいということです。今回、聖母月の祈りの生徒募集のお知らせを見たとき、真っ先に浮かんだのは祖母のことでした。
私の祖母は、コロナ禍に認知症を患いました。やがて人の顔と名前を結び付けることができなくなりました。そして料理の仕方も忘れました。コロナ禍は祖母に会いに行くこともままならず、コロナ禍明けにやっと会うことができたと思ったら、私の顔を見ても誰なのか、思い出せなくなっていました。私が大好きな、祖母が作る美味しいお料理も作り方を忘れ、怪我をするばかりでした。あんなにしっかり者の祖母が、何もできなくなっていました。現在、認知症の治療法は進行を緩和させることはできるものの、完治に至る治療法は確立していません。だからこそ「私に何かできることはないだろうか」と考えたとき、今はただ、祖母と向き合って楽しむことが大切なのだと思いました。祖母はしっかり者でありながら、とても天然で明るい人でした。今も私が学校であったことをお話しすると、まるで子供のように楽しんで聴いて、笑ってくれます。そして、そんな祖母の姿を見て私も笑顔になれるのです。
祖母のおかげで、私はこれまで当たり前ではない日常の幸せを受けることができていたことに気づくことができました。だからこそ、皆さんも大切な人との幸せな日々を大切にしていただきたいです。
私の願いは、皆が日々を笑顔で幸せに過ごしてほしい、ということです。そして何よりも、私に関わってくれた全ての方に感謝を伝え続けていきたいです。」 高校2年 鈴木水萌