雙葉日記

2025.01.23

第28回 伊豆文学賞 受賞

国語科教員の活躍

文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した、第28回伊豆文学賞の入賞作品が発表され、掌篇部門(応募総数195編)にて、本校の国語科教員である、秋元祐紀先生が最優秀賞を受賞しました。

伊豆文学賞は、伊豆をはじめとする静岡県内の自然や地名、行事、人物、歴史などを題材とした文学作品を公募しています。川端康成の『伊豆の踊子』、井上靖の『しろばんば』に続く新たな文学作品や人材を見い出すため、1997年から毎年開催されているものです。

作品について、秋元先生はこう言います。

新型コロナウイルス感染症のもと、「不要不急」という標語が日本を席巻した折、「要」でも「急」でもないものが人間を人間らしく生かすのだと実感しました。吹奏楽部に所属していた自身の中学・高校時代からに感じた苦しみの先の喜びと快感。そしてコロナ禍の先で再び吹奏楽を通して得た感動。吹奏楽の演奏で性格も意見も熱量も違う者同士が交わることで得た、「一人では見えない景色」。それは吹奏楽に限らず、人間社会の真理である気がします。学校がそうしたことを経験できる場所であり続けてほしい。そのような願いを込めました。

最優秀賞受賞作品「Resonance Resilience」あらすじ

 高校3年生の夏、最後の吹奏楽コンクールを明日に控えた私は、この6年間を回顧する。新型コロナウイルス感染症による第61回静岡県吹奏楽コンクールの中止、活動の制限、部員数の減少。なぜ吹奏楽を続けてきたのか。積み重ねた時間に意味はあったのか。私たちの心を置いて、世界は戻ったふりをした。治し方の分からない傷を抱えた私たちは、音を共鳴させ世界を創ることで、前を向く。多くの人と関わりを感じながら。

最優秀賞を受賞した秋元祐紀先生。(国語科準備室にて撮影)
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