2025年11月4日
新しい週のはじまり、白や黄色に緋色に琥珀、薄紅に桜色、学校の花であるマーガレットにもよく似た小菊がいたるところで愛らしく足もとを彩る朝です。今日もよくいらっしゃいました。
朝のひととき、心を合わせ、祈りましょう。
「社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体」*、辞書で文化という言葉を引くとそのように表されています。昨日、文化の日は、「自由と平和を愛し、文化をすすめることを趣旨とする」*日とされます。皆さんにとって「文化」とはどんなものでしょうか。どんな香りがするでしょう、どんな音がするでしょう、どんな味がするでしょう、柔らかいでしょうか、硬いでしょうか。
「下学上達(かがくじょうたつ)」、『論語』に孔子の言葉として遺される通り、文化として広がり、根づき、残っていくものは、基礎基本が積み重ねられ、熟成、熟練されて、深み、高みに達したものなのでしょう。その意味で、皆さんが学ぶ学校というところは、いつの時代もその国やその地域の文化の拠点であり、発信地です。
文化功労者に選ばれ、今日顕彰式に臨まれる劇作家、演出家の野田秀樹さんは、「文化は簡単に利益が得られるものではありませんが、そこがしっかりしていないといろんなものが崩れてしまう。文化は「共同体の礎」」*なのだと仰います。
あらためて、人として生きる私たちが、学ぶこと、あらゆるものの基礎基本に触れることの意義を深く認め、人間らしさそのものと言える文化の一翼を担い、人生の歩みを豊かにしていけるよう願いながら、手を合わせて祈りましょう。
学生の祈り
主よ、わたしが勉強に取り組むときに、
学ぶ意欲、記憶する力、
困難なときにも、たゆまずに真理を求める精神を
お与えください。
勉強を通して
あなたの限りない完全さ、
あなたの智恵と力、
あなたのふしぎな摂理を悟らせてください。
すべてのものの造り主、
わたしたちの父であるあなたを
ますます深く知り、愛するようにしてください。
あなたのみ旨がわたしのうちに実現しますように。
わたしが出会うすべての人に
あなたを知らせることができるよう、
恵みをお与えください。
上智の座である聖母マリア、わたしのため、
わたしの教師とすべての教育者のために、
お祈りください。
*『大辞林』
*朝日新聞オンライン連載『変容と回帰 コロナ禍と文化』(2025.8.27)