雙葉日記

2025.04.10

中学入学式

満開の桜に祝福されて、100名の新入生を迎えました

 4月7日(月)、講堂にて「中学入学式」が行われました。三寒四温の日々を経て、駿府城公園の桜はこの日にちょうど見ごろを迎えました。西門橋の桜のアーチをくぐり、100名の新入生たちが雙葉生の仲間入りをしました。

 新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。これからの学校生活では、様々な仲間や学びとの出会いを大切にし、充実した6年間をお過ごし下さい。

◆校長式辞◆

「一人一人がかけがえのない存在である」(ありのままの自分を受け入れ、表していくこと)

「つながりを大切にする」(祈りと感謝を大切にすることで、相手を大切にし、愛することができる)

「自分を大きく伸ばす」(自分の力を、他者の幸せのために使える人になる)

という3つのことを大切にして学校生活を送って下さい、というメッセージをいただきました。

◆来賓祝辞◆

「今を精一杯生き、友人や先生方とのご縁を大切に、自分が頑張ったことを結果に関わらず自信に繋げていって下さい」というお言葉がありました。

◆お祝いの歌◆

中2・中3の生徒全員が壇上で、アルカデルトの「Ave Maria」と、ヘンデルの「Hallelujah!」を合唱しました。

◆新入生代表の言葉(全文)◆

 暖かな日差しとともに吹く風が心地よく感じられる季節となりました。お堀の水面を花筏が流れ、うららかな春の輝きに心弾む今日、この良き日に、私達100名は、歴史と伝統ある静岡雙葉中学校に入学できることを心より嬉しく思います。真新しい制服に身を包み、私達はそれぞれが大きな期待を抱き、夢と希望を持って、今、新しいスタートラインに立ちました。

 これまでの小学校生活で、様々な経験を通してたくさんのことを学んできました。その中で、私が最も心に残っていることは、総合の時間に車いす体験をした時のことです。私はそれまで、障害のある方に対して、「大変そうだな」「助けてあげたいな」と思っていました。しかし、車いすの方のお話の中で、「私たちもあなたたちと同じ。かわいそうだとは思われたくない」という言葉を聞いて、人にはそれぞれの幸せがあるのに、勝手に自分の物差しで幸せの基準を決めてしまっていたことに気付きました。そして、私は気付かない内に、差別をしてしまっていたのかもしれないと、ハッとさせられました。自分と相手を無意識に比べ、自分にはあるのに、相手にはないものを見ていることに気付きました。学習の中で、障害のある方たちの困難を乗り越える強さや努力、工夫を知り、自分にはないすごさを感じ、視点を変えると見え方が変わることに驚きました。学ぶとは、今とは違う考え方ができるようになること、自分の世界を広げることではないでしょうか。新しい視点は、自分一人の学びでは得られません。中学校では、仲間と意見を交換し合い、切磋琢磨しながら学びたいと思います。そして、たくさんの人に出会い、いろいろな考えや価値感を知り、自分の世界を広げていきたいです。

 学ぶとは、新しい自分を創ること。

 今日、一緒にスタートラインを切った100名の仲間とともに、学ぶことの本当の意味を考えながら、それぞれが新たな世界を広げ、新しい自分を創っていきたいと思います。

 最後になりましたが、校長先生をはじめ諸先生方、上級生の皆様、本日はこのような素晴らしい式を開いてくださり、ありがとうございました。そして、いつも理解し支えてくれる家族や友だちなど、多くの方への感謝の気持ちを忘れずに、雙葉生として日々精進することを誓い、新入生代表の言葉といたします。

(古谷彩音さん)

◆上級生代表の言葉(全文)◆

 桜の花びらが風に舞い、春の日差しが心地よい季節となりました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在校生一同、皆さんの入学を歓迎し、心よりお祝い申し上げます。
 今日から中学校生活の歩みを始める皆さんは、今日の日をどのような気持ちで迎えられているでしょうか。期待に胸を膨らませる一方で、新しい環境に対する不安を感じている人も多いはずです。私も二年前、皆さんと同じような気持ちでした。初めは慣れない環境に戸惑いを覚えることもありましたが、たくさんの行事を通して、素敵な友人ができ、学校生活がより豊かなものとなっていきました。これからの日々の中で、皆さん一人一人にも、出会いや大切な思い出が増えていくことでしょう。
 中学校の学習では、それぞれの教科の内容をより深く学んでいきます。授業では、先生方が丁寧に導いてくださるので、着実に知識が広がっていくことを実感できます。また、部活動も始まります。学年の垣根を超えた関わりの中で、自分の好きなことを夢中で追い続けられる時間は、とても楽しいひとときになります。また、自ら考え、自分の意見を述べ、他の部員の話も聞きながら活動に取り組む中で、自主的に行動することの醍醐味を味わうことができます。特に高校生の先輩方のお姿は、私達の目標となり、さらに高みを目指せるきっかけとなっていきます。9月には、各部活動が一年間の活動の成果を発表する雙葉祭も行われ、二日間では回り切れないほどたくさんの見どころがあります。他にも、静岡雙葉には、学校生活を彩る行事が沢山あります。クラスの仲間と力を合わせ、勝利を目指す体育祭。メロディーが頭を離れなくなるまで練習に取り組み、この講堂いっぱいに美しい歌声を響かせる合唱祭。寝食を共にする中で絆を深める、各学年の宿泊行事。友人と感動を分かち合う中で、雙葉で過ごす一日一日が、かけがえのない時間となっていくはずです。また、毎朝の三分間の沈黙や、週末の聖書朗読、週一時間の宗教の授業、錬成会や黙想会など、キリスト教の教えを大切にしている雙葉ならではの活動もあります。一つ一つの活動を通して、ありのままの自分を受け入れること、他者を思いやり、互いに助け合うことの大切さを実感し、今後の人生の糧を得ることができるでしょう。
 今、皆さんは静岡雙葉学園で過ごす六年間の出発点に立っています。今はまだまっさらな六年間は、これからどんな色に、どんな形になっていくのでしょう。是非、雙葉での学園生活を楽しんで下さい。何気ない毎日の中に、自分を成長させるきっかけがたくさんあります。校訓「徳においては純真に、義務においては堅実に」を心に留め、夢中になれることや目標を見つけ、何にでも積極的に挑戦してやり抜いていってください。時には、辛いこともあるかもしれません。それでも、仲間と共に乗り越えた経験はこれからの人生の中で何にも代えがたい宝物になってくれると思います。
 歓迎の言葉は言い尽くせませんが、皆さんの雙葉での六年間が実り多いものとなるようお祈りし、お祝いの言葉と致します。

(伊藤ほの香さん)

一覧はこちら