11月22日(金)の放課後、上智大学から2名の先生をお招きし、文系の生徒を対象とした出張講義を実施しました。本校は、9月1日に上智大学と高大連携協定を締結しており、相互の教職員・学生・生徒の交流・連携を通じて、より一層魅力ある高校・大学づくりを推進することを目的としています。
総合人間科学部・社会学科の田淵六郎先生の講義では、社会の常識を一度疑う学問である「社会学」の視点から、「人口減少時代」という一般的に「問題」と位置付けられる、現代社会の事象を捉え直しました。
異なる世代や地域の人々が繋がり合い、学び合う、新しい社会の構造を生み出す重要性や、自分がどのように生きていくのかを問い直す大切さを学びました。
また、外国語学部・イスパニア語学科のアラス・モレノ・ナンシー先生は、エルサルバドル共和国のご出身で、エルサルバドル共和国の位置や国旗、通貨、料理、産業などについて写真を交えながらお話して下さいました。また、スペイン語による簡単な挨拶や自己紹介文、1~10の数え方などを教えて下さり、皆で発音しました。ナンシー先生の明るくパワフルな講義に生徒たちはあっという間に引き込まれ、楽しい学びの時間となりました。
生徒の振り返り(講義を受けて学んだこと、これから生かそうと思った点)
・私自身、人口減少、少子高齢化はネガティブな事象で、経済にも影響を与えていると考えていましたが、実際のデータや現状を聞いて、人口減少や少子高齢化によって、社会の状況が悪くなっているということはないことを知りました。また、日本や過去を知ることで正しい情報を理解することができるため、自国について知ることはとても大切だと改めて気づくことができました。
・講義を受けて、今まで漠然と理解していたはずだった人口減少のことをより深く理解できた。人口減少について理由を考えたり、常識を疑ったりすることで客観的に問題を知ることができた。マイナス面を分析した上でチャンスと捉えて解決策を考えることが大切だと思った。学んだことを生かすためには現場(フィールド)が大切だと知った。考えるだけでなく行動を起こすのが大切、自分の目で見て地域の人と関わりながら考えることができる社会学を通して「世代と地域をつなぐ」ことは人口減少時代において必要な力だと思った。私は社会学に興味があり、今まで社会学の講義を受けたことがなかったので、今回の講義がとても参考になりました。
・現在、スペイン語が話されている中南米の国々には過去にもスペインの植民地であったという歴史があり、言語という形でそれが今日にも色濃く反映されているように感じた。その他にも建造物などスペインとは地理的に離れているにもかかわらず、同じような風景が見られるのは不思議に感じた。一方で食文化には現地の人々の好みが反映された独自のものでありながら、中身は何でも入れるという自由度が高いもので、他の文化を持つ人にとっても親しみやすいと感じた。
・ナンシー先生の講義は話すことを積極的に行い、言語を楽しく学ぶことを大切にしているため、自然とみんなが声を出している空間になっていたところに魅力を感じました。先生のような授業を大学でも受講したいと思いました。
・スペイン語について学ぶことができ、視野が広がった。全く異なる言語だと思い込んでいたが、英語に近い発音もあり、そういった点が興味深かった。また、男女で使い分けされる言葉が多々あり、ジェンダー平等といわれる中、どのような使われ方をしているのかと疑問に思った。また、中米諸国について自分が本当に無知であると痛感した。国旗一つ一つの模様も個性的で、歴史的な背景をもっと知りたくなった。まさしく大学の講義を体験できたような気がして、自分の興味があるものを突きつめられる大学生活がとても楽しみになった。