「妊婦・シニア体験学習」を行いました
11月28日(木)、高2保健の研究授業で、「妊婦・シニア体験学習」を行いました。この体験学習は、「生涯を通じる健康」という単元の一環として実施しました。特に「妊娠・出産と健康」については、生徒たちが将来直面するかもしれない健康課題であり、妊娠中の心身の変化については机上の学習で知ってはいても、それらを自分のこととして捉えるのは、実際に体験しない限りなかなか難しいものです。シニア体験についても同様で、ただ単に「年をとると大変そう」という漠然とした感想に終わらず、その立場に立つことで、今後、高齢者や妊婦さんに対して思いやりを持って接していくきっかけに繋げてほしいと思います。生徒たちは「妊婦ジャケット」「シニアシミュレータ」を装着して、様々な動作を実際にしてみました。
※シニアシミュレータ…高齢者になった時の身体的機能低下や心理的変化を疑似的に体験するプログラムで、膝や肘のサポーター(関節の動きにくさ)、手袋(手指の感覚の低下)、イヤーディフェンダー(聴覚の低下)などの器具のこと
生徒たちは実際に「椅子に座る・立つ」「荷物を持って階段の上り下り」「床に落ちたものを拾う」などの動作を行い、また友人が体験している姿を観察することを通して、様々な気づきがありました。以下にその感想の一部を紹介します。これらの一連の体験は、社会に目を向けるきっかけにもなったようです。
・妊婦さんは精神的にも身体的にも負担がとても大きいと思うので、周りが妊婦さんの様子を気にかけてあげることが大切だと思う。近年では妊婦さんを狙った悪質な犯罪もあり、必要以上に注意を払わなければならなくなっていると思うので、周囲の人々もそのような現状について知り、一人一人が妊婦さんを見守る「目」として行動できたらよい。
・授業の中で数分やるだけならまだ大丈夫だったけれど、これを24時間で、何か月も続くとしたら、大変すぎると思った。単純に重いだけではなくて、おなかが大きくて下が見えづらかったり、痛みがあったりすると思うから、本当に周りの人の助けが必要だと思う。「寝る」動作が一番大変だった。
・祖父と話すときによく聞き返されて、何度も言うのが面倒だと思ったこともあったけれど、今回の体験で大変さがわかり、これからはいっぱい話そうと、反省した。
・(イヤーディフェンダーを装着していると)トンネルで耳がつまっている時のような感覚で、一時的にそのような状態ならまだしも、ずっとこのような耳の聞こえ具合だと、孤独感を感じるのではないかと思った。