静岡雙葉では、中学校は国語A、国語Bという二つの科目があります。国語Aでは、主として小説や説明文、詩歌の読解、図表の読み取りを通して、豊かに想像する力や深く共感する力、筋道を立てて考える力を育てていきます。また、スピーチやプレゼンテーション、作文を通して自分の思いを深め、広げ、表現する力を身につけます。さらに、漢字、語句の学習で豊かな語彙を身につけ、書写を行い、美しく文字を書く力をつけていきます。国語Bでは、国語の知識や技能を身につけ、適切で美しい日本語が使える力をつけていきます。また、古典作品や古典文法の学習を通じて、日本文化理解の基礎となる古典読解力を養います。この学習が、雙葉高校での「現代の国語」「言語文化」「現代文」「古文」「漢文」の学習につながります。国語は、自分の視野を広げ、世界に対するとらえ方を育てていく、全ての教科の基礎となる勉強です。
変化に富む現代の社会情勢のなかで、私たちは日常生活のさまざまな場面において数多くの問題点を抱えています。これからの子どもたちには、社会に横たわるそれらの多様な課題に主体的に関わり、解決の糸口を見つけ、参画していく意志と力が求められています。そのために人類の歩んできた歴史を学び、先哲の叡智に触れ、地誌や政治経済の動向を深く見つめることを通じて、先を見通すことのできる思考力を磨いてほしいと考えます。社会科では客観的データや歴史的な転換点、人や思想といった切り口を手がかりに、生徒たちが社会とつながり、共感性をもって時事に向き合い、興味関心を広げる取り組みを行っています。意見交換や発信の場を多く設け、公民意識を高めながら、知識だけに留まらない実践的な教科教育に取り組んでいます。
算数の問題が解けたとき、できたー! と気持ちが高ぶったことはありませんか。考えたことが一本の道になり正解に至ったときは、思わずガッツポーズをするくらい嬉しいことでしょう。問題を解くとき、まず内容を把握します。何が問題に与えられていて、何を求めるのか。次に、答えを出すためにあれこれと考えます。解法の糸口がみつからないときは、小さい数で試してみたり図を描いたり。そして、解き方が見つかったとき、えも言われぬ高揚感を覚えます。問題で与えられた情報から答えを出す、その過程で使われたのは「論理」です。数学では、興味深い定義と美しい定理を学びます。定義と定理を結び付ける論理力を、授業を通して養います。さらに、考えの過程を順序立てて表現することを重視した授業を行っています。
理科は、自然の事物や現象に目を向け、よく観察して、推論、実験することで、物事を科学的に見る方法や考え方を学ぶ教科です。自然現象をよく観察すると、一定の法則を導くことができるものがほとんどです。その観察の仕方や法則の導き方を学び、また実験で再現することによって、未知の現象について推測をしたり、予測をしたりすることができるようになります。人間は自然現象から導き出された法則を用いて、新しい技術を生み出し、豊かな社会を築いてきました。まずは、その基本的な技術や考え方を身に付けて、将来高いレベルで思考できる力の基礎を養います。そして、多くの実験・実習の機会の中で豊かな自然に触れることで、自然や生命の神秘や尊さを感じることもできるでしょう。
静岡雙葉では、中高6年間にわたって段階的に確かな英語力を身に付けていきます。中学1年生、2年生では、定期的なノート提出や小テストによる基礎力の定着と自律的な学習習慣の確立、中学3年生では、検定教科書と中高一貫校用テキストの併用による語彙力・読解力の強化、高校1年生、2年生では、プレゼンテーションやディベート、英作文による表現力・発信力の向上、そして、高校3年生では、一人ひとりの進路志望に対応できる高度な英語力の育成を目指します。全学年における英会話の授業は、1クラスを2分割にしたネイティブ教員2名体制によって行い、英文を原書で読む多読指導にも、長きにわたって力を注いできました。英語を通して多様な文化や価値観への理解を深め、知性と感性を磨き、自ら未来を切り拓く力を育てます。
静岡雙葉の音楽では、皆で音を味わい、また音を通して表現することを何よりも大切にしています。特に中学全体で取り組んでいる合唱祭では、クラス一丸となって一つの楽曲に取り組み、皆で意見を出し合いながら曲を解釈し、練習を重ねることを通して作品を練り上げていきます。その過程で、作詞者・作曲者の想いにたどり着き、一つのものを皆で創り上げていく喜びや達成感を味わい、互いの絆を深めていくことができます。一人ひとりが真の表現者として「内なる心を表現できる人」になれるよう、時代を越えて受け継がれた芸術を鑑賞し、良きものとの出会いを通して、生涯にわたり音楽を楽しむ力をつけていきます。
美術の授業は手先の器用さを求めるものではなく、観察によって鍛えられた目で世界と対峙し、次に意図に応じて表現することを学ぶものです。一輪の花、昼休みの雲、洗面台に転がった石鹸、鏡の中の自分、友人の背中、異国の戦禍。私たちは毎日様々な出会いの中に生きています。足を止め、眼差しを向け、自ら知ろうとした時に、それらは意味を持つようになります。観念で捉えるのではなく、自らの目と心で対象を観察し、感じ取り、知ろうとすることで立ち現れるもの。そうして得た出会いは、やがて訪れる自身の存在と向き合う時間の力となるはずです。時に感性に身を任せて奔放に表現することの喜びも感じながら、すべての学問に通じる観察と探究によって物事の本質に迫る力を培う授業です。
皆さんが生涯を通じて、スポーツや運動に興味を持ち、身体を動かすことの大切さを知り、健康や安全に留意して社会生活を送れるようになることが大きな目標です。WHOによる健康の定義には「健康とは身体的、精神的、社会的に良好な状態であること」とあります。授業では様々なスポーツを体験し、各学年で段階的に技術やルールを身につけ、ゲームを楽しむことで人との関わりを学んだり、目標や記録に挑戦することで心身を大きく成長させます。また、毎回の授業で行う筋力トレーニングにより、体力の向上を目指します。体育の得意不得意に関わらず、仲間と協力してスポーツや運動に取り組み、身体を動かすことで達成感や楽しさを実感できるような授業を目指しています。
家庭科は、豊かな人生を送るために必要なことを学ぶ教科です。そのために生活に必要な知識を身につけることはもちろんですが、多くの実習を取り入れて、体験を通しての学びを大切にしています。食生活では栄養や食品に含まれる栄養素についての学習を大切にしています。また中学三年間で、和食・洋食を中心に10回程の調理実習を行い、調理技術を身につけ、自分で家族の食事を整えることを目指します。高校では、家庭基礎のほか、高3時に家庭実践で和洋中の様々な調理を実習し、中学で身につけた基礎を応用して調理技術を向上させます。衣生活では、ミシンで作品製作を行い、縫製技術を身につけます。中学1年生の時に作ったエプロンを、高校3年生の調理実習まで使用しています。
情報の授業では情報とは何かという問いに対して自らの考えを持つことができるよう、情報の特徴や情報化が社会に及ぼす影響について様々な事例をもとに考えながら学びます。またPCやタブレットなどの情報機器や校内LANやインターネットを用いて、情報通信ネットワークを適切に活用して自ら情報を適切に収集・処理・表現し、効果的にコミュニケーションをとる方法を学びます。それらの学びを基盤とし、情報モラルを習得し、正しい判断のもとに情報社会に積極的に参画する態度を身につけます。
宗教の授業は、沈黙とお祈りから始まります。心を静めて自分自身を振り返る時間は、ありのままの自分と向き合うことに繋がっています。また、他者のために心を合わせて祈ることで、他者を思い遣る心を育んでいます。授業では、聖書のメッセージ〜私たち一人ひとりが神様に望まれて今ここにいること〜を学びます。聖書だけでなく、様々な教材や行事を通して、自分自身や友人の良さに気付き、多様な価値観を知ることで、豊かな関わりを築くヒントを得ることができます。キリスト教精神に基づく静岡雙葉での6年間は、卒業後の生き方の支えになる考え方を学ぶ大切な時間となっています。