雙葉日記

2023.08.21

PEACEプロジェクト 活動報告(1)

「テロ・紛争解決の現場から 平和への道を考える」というテーマの講演会を行いました

 「FUTABA中高生PEACEプロジェクト」は世界平和を考える本校有志の活動で、昨年度も様々な講演会を実施してきました。去る5月10日(木)には、今年度の講演会の第一弾として、アクセプト・インターナショナル代表理事の永井陽右氏をお招きし、「テロ・紛争解決の現場から 平和への道を考える」と題した講演会を行いました。

 永井さんは、ソマリアやイエメンなどの紛争地にていわゆるテロ組織の投降兵や逮捕者などの脱過激化と社会復帰支援を実施に従事している国際NGO「アクセプト・インターナショナル」の代表理事を務めていらっしゃいます。今回の講演では、活動の紹介やこれまでの経緯、中高生へのメッセージなどをリアルな現場で得た知見を踏まえてわかりやすく語っていただきました。

 永井さんは活動の中で「テロに加担してしまった若者も、同じ人間であり、無限の可能性を秘めている」という点をとても大事にしており、現地の若者に同じ人間として寄り添い、一緒に問いかけ、考える姿勢を示していくことの大切さを教えて下さいました。テロや過激派に対し、空爆によって解決を試みる方法では、憎しみの連鎖を生み、根本的な解決には至りません。そうした中での地道で丁寧なアクセプト・インターナショナルの活動は、「平和への道」を考えるうえで示唆に富むものでした。

 また、私たちは理想を高く持ち、互いにわかり合おうと試みると、「わかりあえない」という現実に対し憤りを覚えてしまいがちです。永井さんはそうした点を指摘しながら、「わかりあえない」ことを受け入れることへの意識から希望の一歩が始まると語られました。さらに中高生へのメッセージとして、「できること」にばかり目を向けるのではなく、「すべきこと」を考え実践していくことが大切であると伝えて下さいました。

 質疑応答は、「宗教的な戒律と人権との対立について」「人との関わりの中での『対立』について」「日常生活について」など、幅広いテーマで行われました。これらの質疑に対して、永井氏はご自身の経験を踏まえ、粘り強く、様々な手段で対話を試みることの大切さや面白さを伝えて下さいました。

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