雙葉日記

2022.07.04

高2社会科学コース 現代共生学基礎講座Ⅱ-②

静岡県立大学の津富先生の講義を聴き、さらに大学生の方々とグループワークを行いました

 毎週土曜日の2~3時間目は、高2のコース制の授業を実施しています。社会科学コースでは、高1~高2の2年間にわたって、「現代共生学基礎講座」と題して大学の先生方をお招きし、「共生社会」をテーマとした様々な切り口からの講演をいただく機会を何度か設けています。

 7月2日(土)はその最終回として、静岡県立大学国際関係学部の津富宏先生をお招きし、「就労支援でつくるケアしあう社会 助け合い・頼り合い」という演題で講義をしていただきました。津富先生が静岡支部の代表を務めるNPO法人「青少年就労ネットワーク静岡」の活動も紹介しながら、「働きたいのに働けない」人々への支援についてお話し下さいました。このNPO法人での活動に携わっている県内の大学生6名の方と一緒に、生徒たちは様々なグループワークを行い、就労支援についての意見を分かち合いました。

 グループワークでは「どれくらいの割合の若者が働けないのだろう?」「仕事があるのに働けないのはなぜだろう?」「働けない人に対してどう接したらよいのだろう?」といった問いについて一人ずつ意見を出し合い、活発な議論が交わされました。さらに、まとめとして、実際に就労支援に携わっている大学生の皆さんが前に立って、自身の活動の経験をもとに、それぞれの見解を話してくれました。

※「青少年就労ネットワーク静岡」における就労支援のスタンスは、一方的な支援ではなく、相手と共に就労への過程を歩んでいくという「相互扶助」を大切にしているそうです。

 就労支援において大切なことは、

・相手を信じる

・一緒にやってみる

・仲間をつくる

という3つのことだと、津富先生は最後に強調されました。生徒たちは今日の学びを真剣に受け止められた様子で、社会科学コースの学びの重要な切り口である「共生」について考える大切な時間となりました。

◆生徒の感想より抜粋◆

・現在若者の死因第一位は「自殺」であり、そのくらい希望を持てない社会になっているということを聞き、これからの時代、私たちが大人になったときに、子供たちに希望を持たせられるようになることが大切だと思った。

・「非就労」と聞くと、やはり「ひきこもり」などと思ってしまいがちですが、それ以外にもヤングケアラーの方々、精神的な問題(精神疾患、発達障害)など、一つの問題には様々な問題が絡み合っているのだと改めて感じ、この問題以外について考える時でも様々な背景を考えていきたいと思いました。

・辛さを抱えている人は隠れていて、見つけるのが大変だ。普段から他者との関わりを持ち、気軽に頼り合える関係、少しの異変にも気づけるような関係を作りたい。

・一方的に助けられるのは相手の時間や労力を奪っているのではないかとあまりいい気分はしなくて、一方で助ける方は間違った優越感に浸ってしまう人もいる。そんな難しい関係の中で、相手に親身になって対応できる大学生の方々がすごいと思った。

・今日のお話をきっかけに、就労支援について自分でも調べてみて、働けない人との関わり方について考えること、また(このような問題が)他人事ではなく、自身や周りの大切な人がいつそのような状況になるかは分からないことを心に留め、共生社会について探究していきたいと思いました。

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