雙葉日記

2022.11.01

雙葉アカデミー(第3回)

アフリカに生まれ日本に育った漫画家星野ルネさんに、講演をいただきました

 10月29日(土)午後、本校講堂にて「雙葉アカデミー」を行いました。本校では、地域の教育の拠点の一つとなり、どなたでも来校できる講演会や体験などのイベント「雙葉アカデミー」を開講しています。この「雙葉アカデミー」では、各分野の専門家の方を講師にお迎えして講座を開催しています。

 おかげさまで「雙葉アカデミー」も、今回で第3回目を実施できました。さらに今回は、本校有志の生徒が立ち上げた「FUTABA 中高生 PEACEプロジェクト」とのコラボレーション企画でもあります。講師には、アフリカ・カメルーンで生まれ、日本の兵庫県姫路市に育った漫画家星野ルネさんをお招きし、

「違いを楽しめる社会へのヒント ~多様性の社会をみんながいきいきと生きられることを夢見て~」

という演題のもと、星野さん自身の描かれた漫画のイラストと共にお話をいただきました。

 星野さんの生い立ちと絡めて、それぞれの文化圏の違いを認め合うために必要なことは「直接話をすること」「何かを一緒にする時間を大切にすること」「何でもプラスに考えること」「自分のもっている良さを大切にすること」だということを教えていただきました。「相手をあえて分類するなら、人種や文化といった違いではなく『どんな生きがいを持っているか』という視点で分類すること」という言葉も聴衆の皆さんの心を打ったようです。お客様や生徒との質疑応答の時間には、「どのような経験から、多様性を楽しむ感覚を身につけられましたか?」「自分の将来の夢に対するイメージはどうやって描きましたか?」「日本での好きな食べ物、カメルーンでの好きな食べ物は何ですか?」という質問に、それぞれユーモアを交えながらも、丁寧にお答え下さいました。


◆講演会の感想より◆

【小学生のお客様】

・言語の違う人の感じ方を知って、私達日本のすべてが当たり前じゃないのだなと感じました。

・星野さんのマンガは前から持っていて、おもしろいと思っていました。特に覚えているのは「はだ色」の話です。今日のお話もルネさんが経験した様々なこと、こんなに苦労していたんだと思いました。マンガより大変そうだなと思いました。

【保護者の方】

・子ども新聞でルネさんの本を知り、子どもが読みたい!と言ったのですぐ買って読みました。特に 4 年生の息子はとても好きで何度も何度も読んでいます。今回ルネさんの講座があると知り、とても楽しみにしていました。本の内容も暗記するくらい読んでいたので話もとても理解できたようでとても楽しかったです。本当に素敵な企画をありがとうございました。

・アフリカ  カメルーンという国はほぼ名前しか知らない国でした。このように名前しか知らない国がたくさんあります。日本の事も同じ様に知らない外国の方はたくさんいると思います。でも、同じ人間なのだと改めて感じました。外国の方と心通う体験をたくさんしたいと感じました。

・「多様性」とよく聞きますが、自分の知識や先入観が強くあり過ぎて多様性をよくわかっていませんでした。星野さんのお話、人柄の良さで引き込まれることがたくさんあり、自分自身、子ども達に対して前向きに向き合って、先入観をもたずに生活していきたいと思いました。

・自分のコンプレックスが他人には美点に見えることがある。うらやましいと思ったらまず話をしてみると良いこと。「うらやましい」と思うだけで完結してしまいがちな自分は目からウロコでした。また、国籍、人種ではなく「生きがい」で分けてみるという考え方が面白かったです。

・最後の質疑応答の時におっしゃった「社会はすぐに変えられないけど、自分はすぐ変わることができる」というお言葉にはっとさせられました。また、私だったら傷ついてしまいそうな体験の中でも、明るく悲観的にならない星野さんの力強さに勇気づけられました。思っていた以上に自分の世界がぐっと広がる実りの多い時間となりました。ありがとうございます。

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