雙葉日記

2022.10.29

高2 黙想会

シスターの講話を通じて、自分自身の生き方を考えました

 10月25日(火)終日、講堂および体育館にて「高2黙想会」が行われました。雙葉祭や研修旅行を終え、進路への考えを深めていく時期に、一日日常を離れ、静けさの中で自分の生き方を考える機会となりました。

  今回は、アメリカを拠点とした女子修道会「メディカルミッションシスターズ(MMS)」会員であるシスター延江由美子氏をお迎えし、「Let your light shine!」というテーマのもと、3回に分けての講話をいただきました。「MMS」は国際的な医療活動を通して人々に奉仕することを目指す修道会です。シスター延江自身も、医療の道を志してフィリピンやインドに赴いて貧しい地域の方々への医療に携わり、マザー・テレサと時間をともにされたこともあるそうです。また中学校の先生として勤務されたり、その後アメリカに留学して看護学校に学んだりと、様々な人生経験をされてきました。

 また、「Let your light shine!」というこのテーマは、聖書の『マタイによる福音書』5章13-22節「地の塩、世の光」という有名な部分を典拠として考えられたものです。

(※Jesus said,”You are the light of the world” イエスは言われた、「あなたがたは世の光である」)

 この部分は先日の始業式で理事長先生の講話で引用された箇所でもあり、生徒たちの心にも入っていきやすかったようです。シスターの海外での様々な経験から、「様々な違いから生ずる境界を超えて、人と人とのつながりを大切に、一つのつながった世界に向かって進もう」というメッセージが込められており、一人一人の持つ「エネルギー」を相手とのつながりに生かしていこうと話して下さいました。

 また、体育館では全員で、ヨガとメディテーション(瞑想)を行いました。自分自身や相手を癒すエネルギーの流れを感じ、心を整えるひと時となったようです。

 黙想会の最後に、聖堂にて「祈りのつどい」を行いました。様々な立場の人たちに対して、「幸せに過ごすことができますように」と、皆で心を一つにして沈黙のうちに祈りました。

◆生徒の感想より◆

【第一講話】

・フィリピンでの、私たちにはごみの山に見えるものも彼らにとっては宝の山であるというお話が印象的でした。立ち位置を変えると視野が変わるとシスターもおっしゃっていましたが、自分の視点から見るだけでなく、他の人の立場に寄り添って、見たり考えたりすることが大切だと思いました。

・先日の研修旅行で、周りの人との協力のありがたみを知ったので、シスターのおっしゃった「一人一人が人間らしく生きることのできる世界には仲間が必要」という言葉は印象に残りました。

【第二講話】

・自分がやりたいことの為に努力できる強さに憧れます。宗教上の理由で一部の人たちだけが医療を受けられずになくなるのはあってはならないことだと思います。アンナ・デンゲルさん(※「MMS」の創始者)が一人で始めてその意志を汲んだ多くのカトリックの女性が今も世界中の人々を救っていることに、強い信念と思いやりの深さを感じました。

・「Therapeutic touch」を受けたことがあるのでびっくりしました。本当に体が楽になりますし、不眠症も治すことができるそうです。お話を聞いて、自分の周りにあるワンチャンスを見て見ぬふりをせず、自分のものにして、失敗したり、成功したりして生きていくことが、”人間らしく生きる”なのだと感じました。

【第三講話】

・インパール作戦について初めて知り、日本が戦いをして他の国に与えた影響について知ろうとしていなかったことに気づかされ、被害を受けているだけではないと改めて感じさせられた。キリスト教信者の青年も戦っているという話を聞き、とても衝撃を受け、悲しくなった。

・宗教、部族の一つ一つの尊厳の違いによって対立が生まれる。それぞれの正義のぶつかり合いが争いになってしまうのだと思う。インパール作戦でインドの人が日本兵を埋葬してくれたように、どんな時であっても、目の前にいる人が人間らしく尊厳を保ったまま生きられるようにすることを、世界の一人一人が努めていく必要があると思う。そして、自分であれる心の拠り所を大切にして、支えてくれる人への感謝を忘れないようにしたい。

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