自作の壁新聞を用いて、被災地で感じた思いを語りました
9月25日(土)、静岡県地震防災センター・ないふるホールにて、「東北スタディツアー」参加生徒の報告会が行われ、高1西組の佐野菜帆さんが参加・出席しました。
「東北スタディツアー」は、静岡県ボランティア協会とTOMOSHIBIプロジェクト実行委員会の主催のもと、2014年から毎年開催されているプログラムです。佐野さんは今年8月5日~8日の3日間、県内他校の高校生25名とともにこちらのプログラムに参加し、いくつかの東北の被災地を訪れました。
報告会では「震災を五感で学ぶ」をテーマに、チームメイトと作った壁新聞を用いて被災地にて肌で感じた思いを熱く語りました。壁新聞は、現地の方へのインタビューや写真を駆使してあり、現地の方々の姿が浮かび上がってくるかのようです。また見出しや文章構成も読み手の印象に残るものになるよう、工夫を凝らしてありました。
◆佐野さんのコメント◆
私が東北スタディツアーで一番印象に残った言葉は「心のケアが肉体的なケアよりも大事」だということです。この言葉は現地で色々な場所へ訪問する度にたくさんの方から耳にした言葉です。震災から10年が経ち、復興が進んだとメディアでは報道されていますが、実際は10年前のあの日の悲しみが全く癒えないまま、悲しみや苦しみを抱えている方が数多くいらっしゃいます。「風の電話」ではそんな心の傷がまだ癒えずに大切な人を亡くした方が後を絶たず訪れ、線の繋がっていない電話器に亡き人を思ってお話しされます。きっと何年経っても心が癒えることはないでしょう。だからこそこの悲しみを二度と繰り返さない為に今何ができるか考えていく必要があります。いつもそばにいてくれる友、支えてくれる家族、この日常が決して当たり前ではなく、ある日突然一瞬にして奪われてしまうかもしれないのです。
※風の電話…岩手県大槌町の海を見下ろす丘に置かれた電話ボックス。そこにあるダイヤル式電話の電話線は繋がっていないが、訪れる人たちはその電話を使って故人に自分の思いを伝えると言われています。
今、私ができることは「友に感謝し、私をとりまく全ての存在が尊いものとして思う」ということだと思いました。今回参加した東北スタディツアーでは、静岡城北高校の生徒さんとバディとなり、協力し合い、壁新聞を作り上げるまでに至りました。新聞の発表では、緊張することもなく、伝えたいことを要点をおさえて伝えることができました。これは決して私一人の力ではなく、バディの支えがあったからこそだと思います。私は誰かの心のケアをするような大きな力はないかもしれませんが、周りに支えられて生きていることを常に忘れずに感謝して生きていきたいと思います。