雙葉日記

2020.05.08

校内探訪9 社会科教室の巻

時の流れに耳をすませば

雙葉日記をご覧のみなさま、こんにちは。

連休明け2日間の授業が終了しました。5月は聖母月です。聖母月に入ると、本校では例年、毎朝8時5分から聖堂で聖母月の祈りを行ってきました。それが今年はできないので、帰りのSHRにオンラインで「アヴェ・マリアの祈り」や、5月31日の学園の日に向けて「福者ニコラ・バレ神父様に倣う祈り」を捧げる時間を取っています。学校に集うことができない今だからこそ、祈りを通して心を合わせられることの恵みを生徒と共に味わっています。(写真1)

さて、本日の校内探訪は本校舎6階の社会科教室です。主に高校生の社会科選択授業で使われ、60名ほどが入れる教室です。授業以外の用途もあり、学年やクラスを越えた集まり(委員会活動など)でも多く使われています。史料集などでもおなじみの土偶や埴輪を再現した教材もあり、教員の許可を得れば実際に手に取ることもできます。(写真2)発掘当時のエピソードや、作られた目的・意味に思いを馳せる楽しみが得られます。ほかにも一見するとただの黒い石に過ぎない黒曜石も、割ると鋭い破断面を持ち、狩猟の道具として利用されていたことを知れば、触って、見て、感触を確かめたくなってきます。(写真3)知ろうとしなければ知らないまま終わってしまうことの中に、大事なことは潜んでいるのかもしれません。

全国の高校生を対象に毎年開催されている「聞き書き甲子園」というものがあるのを、ご存知ですか。高3の森川葉名さんが、昨年度参加した際の記録が作品集になって届きました。(写真4)日本の各地で自然とともに暮らしながらさまざまな営みをしている名人のもとを訪れ、その知恵や技術を名人の言葉のままに文章に起こしていきます。森川さんが訪ねた名人は愛知県豊根村で「金山寺みそ」を作り続けている名人。挑戦と限界の中、みそに対する探究を愚直に続ける名人・林さんの姿に、食卓に必ず国語辞典と虫眼鏡を置いて生活している祖父の暮らしを重ねてしまったという森川さん。便利になった時代の中、一見時間がかかって遠回りなことの中でしか気づけないことがあると感じたそうです。「限界も制限も受け入れながら、それでもまったく意気消沈しない。そういう生き方があったからこそ、金山寺みその味が伝え続けられているのだと思った」森川さんの気づきが、作品集を通してまた他の誰かを動かしていくのではないかと感じました。

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