雙葉日記

2021.07.16

未来への志を育む講演会(山極寿一氏)

「コミュニケーションの進化とコロナ後の社会」の演題で、お話をいただきました

 7月14日(水)6~7限の時間帯に、本校講堂にて、第26代京都大学総長・前日本学術会議議長の山極寿一氏をお招きして、「コミュニケーションの進化とコロナ後の社会」の演題で、講演をいただきました。講演会には、高2・高1・中三生徒全員と、他学年の希望者の生徒が参加しました。

 山極氏は、ご自身の研究領域であるゴリラや類人猿と、人間とを比較された上で、人間ならではの「共感力」というものを強調され、またこのコロナ禍のもたらした教訓としても「人間同士のつながり」や「共感の力」が見直されていることをお話し下さいました。

 講演の後の質疑応答の時間にて、以下のような質問が出されました。山極氏は一つ一つの質問に対して懇切丁寧に答えて下さり、生徒たちはより深い学びを得ることができました。

Q1 どのようなきっかけで類人猿やゴリラに興味を持ちましたか?(高2・西田里光さん)

Q2 先生の講演のスライドの中に「宗教が力を失い科学にも頼れない」というのがあったが、その背景についてさらに詳しく知りたいです。(高2・村社日加里さん)

※村社さんは自らの所属する社会科学コースの研究の一環としても、この質問をしてくれました

Q3 人間の行動によって生態系のバランスが崩れて、大きなウイルスの変異やアウトブレイクが起こっている中で、講演での「アフターコロナの社会では遊動の時代になるのではないか」という言葉があったが、人獣の共同感染症もそれによりさらに拡大するのでしょうか。(高3・星野結衣さん)

※遊動…個人の所有から交換・贈与経済により公共財を増やし、ベーシックインカムを実現するという考え方の基盤やライフスタイルの変化を意味する

◆中三生徒の感想より抜粋◆

・ウイルスや細菌は人類の敵である、と利己的な私たちは考えてしまいがちですが、ウイルスや細菌は全ての動植物の生態系に重要な役割を果たしており、必要な存在だと思います。そして私たちに必要なことは、ウイルスや細菌を排除する方法を考えることではなく、それらと共生していく方法を考えていくことなのだと学びました。…(中略)科学は元々、明るい未来を約束してくれる素晴らしいものですが、使い道をまちがえると生物の命をおびやかす危険なものであると改めて実感しました。(内山祐希さん)

・人間が言葉を話すようになったのは脳が発達したからで、脳が発達したのは集団が発達したからということや、私たちが持つ能力も社会性が積み重なってできていったということを聞いて、(人間の獲得した力が)どんな関係でできているか一つでは言えないし、おもしろいなと思いました。(増田叶和さん)

・今の私たちは、いのちといのちのつながりを知り、コロナ禍の中で新しい暮らしについて考えなくてはならないと思いました。私たちの社会はインターネットなどメディアが発達し、常に周りの人とつながれる、一見便利な世の中だけど、裏を返せば自由を奪われた世の中かもしれません。(今野杏海さん)

・「今、私たちは現実よりもフィクションに生きている」と聞いて確かにそうだなと思いました。スマホの地図で行きたい場所をタップすれば見ることができますが、そのような物が増えていったら外に出なくなったり、機械に頼ったりして自分で考えたり、コミュニケーションをとる機会が減ってしまって思考能力が低下すると思います。それが今の時代の課題なのかなと思いました。(川下柊子さん)

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