雙葉日記

2020.06.05

分散登校最終日 来週から全校揃っての登校です

校内探訪番外編 卒業生の絵画

雙葉日記をいつもご覧くださりありがとうございます。

4月から始まったオンライン授業、中一入学式、分散登校による始業式、そして授業…。日々新しい状況と向き合いながらここまで生徒とともに必死で乗り越えてきたように感じております。

今日は、分散登校最終日で偶数の出席番号の生徒が登校しました。昨日の奇数番号の生徒たちと同様、来週から始まる全体登校を楽しみにしている様子でした。

生徒たちが登校停止となった期間、雙葉日記では校内探訪として校内のさまざまな教室や場所を巡ってまいりました。日常では気づきにくかったこと、あるいは気づけなかったことがたくさんあったということが分かりました。さまざまな場所にあった「古いもの」は、創立118年の伝統の中に今なお静かに息づきながら存在していることを知りました。

創立者である福者二コラ・バレ神父の精神のもとで教育を受け、本校を巣立っていった卒業生は約2万人。在学中に自分の生き方を見つめ、学ぶ楽しさに目覚め、多くの人と関わり合いながら過ごした6年間は、かけがえのないものとして卒業生の心の礎になっていくのだということを感じています。

先月21日に校内探訪17「絵画の巻」として、校内に飾られている絵画や版画をご紹介しました。本日ご紹介する絵画はすべて、卒業生が高校在学中に描いた作品です。

まず一枚目(写真1)は片岡敦子さん(旧姓:江川)の作品で「せつ」という題名が付いています。朝顔の咲く庭にしゃがみこみ、穏やかな表情で花を眺める敦子さんの祖母。軽く開いた口元、サンダルからわずかに浮いているかかとの部分まで細やかに観察され描かれています。朝もやの柔らかな色彩にはおばあさまの人柄までもがにじみ出ているように感じられます。思わず自分の祖母の面影を重ねてしまう一枚です。

二枚目(写真2)の作品は斎藤あすかさん(旧姓:鈴木)の作品「微笑み返し」です。少年の人懐っこい笑顔から、「微笑みかけたのは、誰だろう?」鑑賞する側の想像が膨らみます。少年の足元にはマンホール。また左右に立っている大人はそれぞれ片足が裸足です。少年の後ろの男性はサンダルを履いています。なんでもない、ある夏の日の一コマ…。日常の中での幸福感が感じられる絵です。

三・四枚目(写真3・4)の二作品は村田和音さんの作品「信仰は私を埋(うず)める」と「生まれた環境をのりこえる」です。こちらは自画像です。和音さんを知っている人であれば、この女性は村田さん自身であることが一目瞭然です。在学中、おそらく自己と向き合い続け、考え続けながら描かれた作品ではないかと思います。一枚目の絵は横顔、正面、やや右向きでそれぞれポーズも異なる「私自身」。正面の右腕に絡まるもう一つの「腕」もおそらく和音さん自身であるのだろうと感じます。二枚目の絵は、左手に掴まれた白いひもを切ろうと、右手に鋏を握る様子が描かれています。青春時代のさまざまな感情や葛藤が思い出される一枚です。

五枚目(写真5)は田中紗央さん(旧姓:薩川)の作品「夢兎想(ゆめうそう」です。児童小説『不思議の国のアリス』の世界が描かれています。原作でも主人公アリスは奇妙な世界に迷い込みますが、この作品では電車の中に迷い込んでしまったようです。つり革にはトランプのハートやスペード、クローバーを型どり、兎が懐中時計を握りながら脚を組んで座っています。アリスは分身しており、それぞれうつむいてしゃがみこんだり、床に絵を描いたり、車窓の街並みを眺めたり。外にはお城もあるけれど、電柱、電線、民家も見えていて、現実と夢が混然一体となった不思議な世界に誘われます。

これら五枚の絵画は、今後、特別校舎棟一階、視聴覚室前の廊下に常設展示する予定です。現在の状況が終息し、来校の折がございましたらぜひ、皆さまご自身でこれらの絵画をご鑑賞ください。

来週から、全校登校で通常授業の開始となります。

これまで異例続きの中、生徒たちは本当に誠実に毎日を過ごしてきました。この日々を忘れることなく、新しい日常の中に生かしていくことができますように。

.

一覧はこちら